2012【八ヶ岳スーパートレイル100km】リタイアを断念した理由

実は100kmを過ぎた時点で制限時間には間に合わないことはわかっていました。

正直、リタイアを考えながら歩いていました。

「残りの5kmを歩き通すことができるのか?」

「100km進んだんだからいいじゃないか?」

頭の中でグルグルと思考が巡ります。

脚はますます痛くなってきます。

さて、どうしたものか…。と何度も立ち止まりながら考えます。

そして、いよいよ残り3kmの地点で決断します。

リタイア…。

盟友・吉田さんに相談しました。

吉田さんは何も言わず、大会本部に電話連絡してくれました。

「もう、無理だ…。車でピックアップしてもらってゴールまで…」

フジオさんの顔が浮かびます。

電話連絡を終えた吉田さんが「もう少し下ったところで拾ってくれるそうなので、そこまで案内します…」

また二人で歩きます。言葉はありませんでした。

不思議と気持ちはスッキリしていました。

「ここまで来たんだから…」

車で拾ってもらえるところとの分かれ道まできました。

「じゃあ…」と吉田さんに別れを告げようとすると…。

ここで運命の電話がプルル…。

吉田さんの携帯に大会本部から連絡が入りました。

「なんだろ…」と電話が終わるのを待っていました。

すると電話が終わった吉田さんは「車は来れるそうですが、ひとつ前の女神湖の関門に戻ってもらうことになるそうです。そこからバスに乗ってゴールまで行ってもらうことになるそうです…」と私に告げました。

ガビ~~ン。えぇ~~!

「もどっちゃダメだ…もどっちゃダメだ…もどっちゃダメだ…」

エヴァンゲリオンのシンジ君ばりに唱えます。

おいおい、そういうことならゴールまで行ってやろーじゃねーか!!

こちとら江戸っこだい!心の中で再び炎がちょっとだけ燃え上がりました。

吉田さんにリトライする旨を伝え、リタイアの車をキャンセルしてもらいました。

と、なんだかんだすったもんだしていると後ろからもう一人選手がやってきました。

ストックじゃなく、そこらへんで拾ったであろう木の杖をつきながら彼は現れました。

かなり辛そうです。

そしてガッツリ短パンでタイツを履いていませんさむそ。

何だかよくわかりませんが、不思議な雰囲気に包まれて「じゃあ、三人でゴールを目指しましょう!」ということになりました。

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このあたりからはしばらく下りです。

激痛。

激痛なのであります。

私が一番前で遅いながらもペースを作り、その後ろを吉田さん、一番後ろに短パン君というパーティで進みます。

ドラクエみたいに…俺戦士。

この下りパートが一番きつかったですね~。

呻き声を漏らしながらひたすら歩きます。

何を考えてたんだろう…?

今となってはわかりません。

いつもなら5分もあれば走れる1kmの道を30分もかかって進みました。

そしてやっと下りのトレイルパートが終わり舗装ロードになりました。

ここでやっとゴールが見えたような気がします。

この頃も、ひたすら吉田さんと喋っていたのを覚えています。

雪国の観光についての展望、蓼科の名産の林檎の話、南魚沼市の話…。

短パン君は喋れないくらい疲弊しており、ほとんど無口…でも3人でここまで来ることができました。

私は眠気もなく疲れもさほど感じず、頭の中はスッキリしています。

ただ脚が痛かったのを覚えています。

深夜2時過ぎ…いよいよゴールが近づいてきました。

ここで問題。

制限時間はもうとっくに(1時間30分)過ぎています。

が、ゴールゲートをくぐってもいいのだろうか??

吉田さんに聞いてみると「いいんじゃないっすか!」とのお答え。

こうなりゃヤケクソ!「3人でゴールゲートくぐりましょう!!」と提案。

少し後ろを歩いていた短パン君に歩調を合わせ3人横並びに並びます。

深夜3時近くですからギャラリーもさほどいません。

が、ゴールの辺りは煌々とライトで照らされています。

光に集まる虫のようにヨロヨロと3匹で光の中心へ向かっていきます。

18時間37分、私の107kmの旅は終わりました。

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