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トミオカホワイト美術館【南魚沼】一本の絵具に込められた想いを紐解く時間

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トミオカホワイト美術館




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1922年に新潟県高田に生まれ、雪国の情景や白の美をテーマに数々の作品を生み出した「白の巨人」富岡惣一郎氏の作品を展示した『南魚沼市トミオカホワイト美術館』。

「雪の白」を表現するために自ら考案した「トミオカホワイト」は、海外からも「東洋の白」と高く評価されています。

霊峰八海山が私を呼んだから

「雪国で生まれた作品は雪国に返す」と決意し、美術館をこの地に建設。

1994年にこの世を去るまで、生まれ育った雪国の景色のなかにあった「白と黒」の世界を表現し続けました。

私の中の美学は、この長い雪世界の凝視の連続の中から生まれた。

この言葉がすべてを凝縮する世界観を、作品とともに追体験できる稀有な施設。

予備知識があった方が100倍たのしめると思いますので、こちらを参考にしていただけると幸いです。

ということで、早速いってみましょう!

 

この記事のもくじ

トミオカホワイト美術館へのアクセス・駐車場・入館料

JR六日町駅から車で25分くらい。

関越道六日町ICからも20分くらいでしょうか。

車は建物の横の駐車場に20台ほど停められます。

玄関を入ると正面に受付がありますので、そちらで入館料をお支払いください。

一般:500円、団体(20名以上):400円
小・中・高校生:250円、団体(20名以上)200円

(サイト内の画像を受付で見せると20%割引で入館可能)

左手にはギャラリーがあり、周囲の景色を眺められるように外を向いてイスが置いてあります。

ここから眺める霊峰八海山は格別……まずはここで目の準備運動をしておきましょう。

今回、訪れたタイミングでは「四季」というタイトルがつけられた企画展示が開催されていました。

3〜4ヶ月に一回は展示が変わるみたいで、2021年11月20日から2022年3月15日までは「望郷」というタイトルでの展示が始まっています。

展示室に入ると中央に柱がない開放感のあるスペースの両脇に作品がずらり。

天井の窓から差し込む光が室内に注ぎ込み、柔らかく作品を照らします。

 

そもそもトミオカホワイトとは?

結論からお伝えすると、富岡惣一郎氏が自身が生まれ育った「雪国の白」を表現するために考案した「白い油絵具」のこと。

私の制作は、トミオカホワイトと名付けた白い絵具をつくることから始まりました。

トミオカホワイトが生まれるまでの白い絵具は、時間が経つと「亀裂が入り」「剥がれ」「黄色っぽくなる」という欠点がありました。

この欠点をどうにか克服できないものか……。

富岡惣一郎氏にとってはどうしても必要な色だったので、つながりがあった絵具メーカー「ミノー」からのサポートを取り付け、自分でつくることにしました。

2年かけて試行錯誤しましたが、なかなか上手くいかずにミノーの技術者など、周りの人々は諦めてしまったそうです。

それでもひとり、実験・研究を続けた富岡惣一郎氏。

ある日、長い期間放置していた絵具に目をつけ試しに使ってみると、時間が立っても割れたり、剥がれたり、黄色っぽくなりにくくなっていた。

「トミオカホワイト」の誕生の瞬間でした。

美術館が開館した1990年。

私もそのころから何度も聞いたことはあったと思うのですが、そのたびに……

「トミオカホワイトって何?」

という疑問を頭の片隅の片隅にしまいつつ、今回の初訪問。

長年の疑問が解消されスッキリしたのと、なんでもっと早く来なかったんだろう……という後悔の念に同時に襲われました。

ちなみに「トミオカホワイト」以外にも「トミオカグレー」「トミオカピンク」も、かつてはあったそうです。

 

富岡惣一郎氏の描画技法

富岡惣一郎氏の作品の多くは独自の描画方法で作られていて、大きく分けて前期と後期の2つに分けることができます。

前期はキャンバス全体にまず白い絵具を塗り込んでいくところから始まり、その白い絵具が乾いて硬くなる前にペインティングや特注の道具を使い削り取って描いていく。

また後期は、まず白以外の描きたい色の絵具をキャンバス全体に均等に塗ります。

そして、その白い絵具が乾かないうちにペインティングナイフで削り取ったり、布で拭き取ったりして絵柄を描きました。

となると、こちらの作品は後期の作品ですね。

全体を赤く塗ったキャンバスの上に白を塗り、そこから道具を使って削り出して描いていったのでしょう。

技法自体はとても大胆で力強い感じがしますが、作品によっては見え方が変わって、とても繊細で儚いイメージもわいてきます。

そもそも、最初にキャンバス全体に色を塗り込んでいくという手法は驚嘆ですよね。

そこから写真のようなナイフなどを巧みに使い分けながら画を完成させる……。

気が遠くなるような細かい作業もたくさんあっただろうと、作品を見ながら感じることができました。

なかでも私が特に心を動かされたのが「長岡花火」を描いた作品。

夜空に花火が炸裂しているようすと、重力に負けて落ちていく光のすじが一枚のキャンバスに共存し躍動しています。

売店でポストカードを買ってしまいました。

 

ギャラリーは一般展示も受け付けている

最初にご紹介した八海山が眺められるギャラリーでは一般の方でも作品展示ができます。

こちらの壁面と……

消火栓がある、こちらの壁面の2面が一般開放されています。

興味がある方は美術館までお問い合わせください。

南魚沼市民であれば「無料」で展示できます。

こちらの幾何学的な表現が美しい作品は、南魚沼の若いクリエイターの作品とのことでした。

施設貸出規定

ギャラリー展示可能場

 

ショップもあります

トミオカホワイトにまつわるグッズを多数販売。

作品集やポストカードなどのアイテムはもちろん……

地元の支援学校の生徒がデザインしたトートバッグやヘアゴムなどのグッズも置いてありました。

アートは世界を救います。

 

カフェもあります

美味しいコーヒーとともにラウンジから見える霊峰八海山をお楽しみください。
営 業 日 ■土曜・日曜・祝日を基本にOPEN
営業時間■10:30~15:30

私が伺ったのは平日だったので、カフェはやってなかったのですが、週末や祝日はオープンしてるとのこと。

作品に囲まれながらゆったりいただくコーヒーは一味ちがいますよね。

 

【トミオカホワイト美術館】住所・定休日・開館時間

新潟県南魚沼市上薬師堂142

4月〜11月  9:00〜17:00
12月〜 3月  10:00〜17:00
(入館は16:30まで)

025-775-3646

水曜日休館

 

観光やランチができるトミオカホワイト美術館の周辺施設

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日本酒「八海山」で名高い『八海醸造』が運営する複合商業施設「魚沼の里」が、美術館から車で5分くらいの場所にあります。

日本酒はもちろん、各種おみやげなどが購入できますし、絶品ランチが味わえる飲食店も多数。

美術館とセットで足を運んでみてください。

 

美術館の駐車場の片隅に

野菜の無人直売所が設置されていました。

霊峰八海山の麓でつくられた選ばれし野菜たちでしょうから、味はもちろん栄養もたっぷり!

夏から秋にかけての限定販売になるでしょうから、見かけたらチェックしてみてください。

 

トミオカホワイト美術館【南魚沼】一本の絵具に込められた想いを紐解く時間 まとめ

美術館や博物館などの施設を訪れる際は、下調べをしていくとより深く展示をたのしめます。

今回、この記事がそのような機能を果たしたら幸いです。

富岡惣一郎氏がなぜ、ここまで白にこだわったのか……を理解することで、作品の見え方が変わってきます。

・なぜトミオカホワイトをつくったのか
・なぜ一度塗り込んだ絵具を削ぎ落とすという描画手法にたどり着いたのか
・なぜ南魚沼に美術館をつくったのか

このあたりを押さえておくとより深く作品群と向き合えます。

ということで、また近々伺うとしましょう!

※特別な許可をいただいて館内を撮影させていただきました

 

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